資料作成に時間がかかるときは?構成から仕上げまでの進め方

上司への相談前に事実と選択肢を整理するビジネスパーソン 仕事術

資料を作り始めたのに、情報を集めるだけで時間が過ぎる。ようやく形にすると「知りたいのはそこではない」と言われ、また作り直す。きれいにまとめようとするほど、終わりが見えなくなることがあります。

資料作成に時間がかかるときは、操作を速くする前に、相手に何を判断してもらうかを決め、文章だけの構成を確認してから、情報と見た目を整える順番へ変えてみてください。この記事では、社内の報告・比較・提案資料を、手戻りを抑えながら作る方法を扱います。

時間がかかる工程を見つける

「資料作成が遅い」を一つの問題にせず、どこで止まるかを分けます。資料の種類によって、先に直す点が変わります。

止まっている場面先にすること
何を書けばよいか決まらない利用者と判断してほしいことを確認する
調べる範囲が広がり続ける主張に必要な根拠と、参考情報を分ける
書くたびに構成を変える見出しと各段落の要点だけで流れを確認する
細かな見た目が気になって進まない内容を先に固め、体裁を整える工程を後へ分ける
完成後に大きく直される内容を埋める前に、判断者へ構成を確認してもらう

元データが届かない、承認者が不在といった待ち時間は、本人の作成速度と分けて扱います。期限を決める際は、作業時間と完了日時を見積もる方法も使い、確認と修正の時間を確保してください。

最初に「読み終えた相手がすること」を一文にする

「部長向けの資料」「会議で使う資料」だけでは、必要な内容は決まりません。読み終えた相手が何をするのかまで書きます。

  • 報告資料:予定から遅れている点と、対応の要否を把握する
  • 比較資料:複数の案を同じ条件で比較して選ぶ
  • 提案資料:実施するか、費用や人員を認めるか判断する

たとえば架空の依頼「新しいツールの資料を作って」なら、「部長が、現在の作業を続ける案とツールを導入する案を比較し、試行の可否を決める資料」とします。製品の機能をすべて並べるより、現状の困りごと、費用、導入の手間、試行で確かめることが必要だと分かります。

自分の解釈だけで決められない場合は、曖昧な指示を確認する質問を使い、目的、提出形式、完成条件をそろえます。「詳細で立派な資料」を作ることが、毎回の正解ではありません。

空のスライドを飾る前に、構成だけを書く

先に使うソフトを開いても構いませんが、最初は見出しと伝える内容だけを書きます。色、画像、図形の位置は後回しにし、情報の順序を確かめてください。

以下は、社内ツールの試行を提案する架空の構成例です。実績や効果を示したものではありません。

  1. 判断してほしいこと:一部業務で試行してよいか
  2. 現在の困りごと:同じ情報を複数の表へ転記している
  3. 対応案:現在の様式を統一する案と、ツールを試す案
  4. 比較する条件:費用、担当者の作業、既存データの扱い、運用上の制約
  5. 推奨案と未確認事項:小さく試し、作業時間と誤りの有無を確認したい
  6. 次の行動:試行の担当、対象、確認日を決める

この段階で、「現状維持の案がない」「費用の比較条件が違う」と気づければ、見た目を作り直す前に直せます。結論がまだ出せないなら、断定した推奨案を作らず、何が未確認で、何が分かれば判断できるかを書きます。

依頼者に途中確認を求めるときは、「まだ途中ですが見てください」だけで渡さず、「今回は比較項目と結論の方向を確認してください。数字と体裁はこの後整えます」と確認範囲を示しましょう。

集めた情報を全部載せず、本文と補足を分ける

調べるほど資料が厚くなる場合は、情報ごとに「これがないと判断が変わるか」を考えます。主要な結論に必要なら本文へ、確認を求められた際に使う詳細なら補足へ分けます。

比較する費用に条件の違いがある、実現できるか未確認、といった重要な留保は本文に残します。見やすくするために不利な条件まで隠してはいけません。一方、元データの全行や調査過程は、本文で読み上げず、参照先を示す形でも対応できます。

根拠には資料名、対象期間、条件、確認日を残します。数字だけをコピーすると、後で修正が必要になったときに元へ戻れません。仮の数字を置く場合は、確定値と取り違えないよう「未確認」「仮置き」とその場に明示してください。

情報収集にも区切りを置きます。「選択肢を比較するのに必要な条件がそろったか」を見て、足りない情報だけを取りに行くと、関連情報を際限なく探す状態から離れられます。

内容を確認してから、読みやすい形に整える

体裁を整える工程では、装飾の種類を増やすより、相手が迷わず読めるかを確かめます。

  • 見出しだけを読んでも、話の流れが分かるか
  • 同じ意味の言葉や単位がそろっているか
  • 比較する案が同じ項目で並んでいるか
  • 表やグラフの対象期間・単位・出典が分かるか
  • 注記が小さすぎず、実際に使う画面や印刷で読めるか

提出先に指定様式があれば、それを優先します。再利用できる既存資料は便利ですが、前回の顧客名、日付、条件が残っていないかも確認してください。最終確認の項目を作る際は、動作・照合先・合格条件で作るチェックリストが役立ちます。

毎回同じ形式の資料なら、職場で完成見本を共有する方法もあります。厚生労働省の休み方改革の取組の進め方では、資料の様式や所要時間の目安をそろえ、過度な作り込みを防ぐ事例が紹介されています。

次の資料で使う、作成前の確認メモ

次に作る資料で、最初に以下を埋めてみてください。埋まらない項目が、そのまま着手前の確認事項になります。

読む人:
読み終えた後に判断・行動してほしいこと:
必須の情報:
本文に置く内容/補足へ回す内容:
構成を確認してもらう相手と日時:
最終提出日時・指定形式:
未確認の情報と確認先:

作成途中で目的や対象が増えた場合は、最初の条件との差を伝え、期限や範囲を見直します。資料作成を速くすることは、必要な確認を省くことではありません。目的に合う内容を早い段階でそろえ、後で捨てる作業を減らすことから始めましょう。

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