転職活動中や転職を検討していると、ふと気になるのが「適切な転職回数」です。
結論、転職回数だけで判断する面接官はあまりいません。
その理由と対応策について面接官の視点で解説していきます。
みんなの転職回数は何回?
リクナビNEXTの「転職回数が多いと不利?年代別の転職回数と採用実態」の調査結果から、年代別の転職回数について確認していきます。
20代の転職回数
20代で転職経験がある人の割合は約25%でした。
「3年で新卒の3割が退職する」という記事を過去に読んだことがあったので、思ったより低いなと感じました。
3回の転職経験ががもっとも多い結果になりました。3回転職した人がストレートで大卒まで卒業していたとすると、20代は8年間ありますし、23歳で社会人になったとすると、2年ちょいで1回転職している計算しているため、2年8ヶ月に1度のペースで転職しているようです。
30代の転職回数
30代で転職経験がある人の割合は50%を超えています。
また、約30%は2回以上、約10%は3回以上の転職を経験しているようです。
何かしら会社に対して不満を持っている人は、30歳という節目を迎える前に転職したいというニーズがあるように思います(私調べ)。
40代の転職回数
40代で転職経験がある人の割合は60%を超えています。
また、約40%は2回以上、約25%は3回以上の転職を経験しているようです。
30代からの伸びが鈍化しているのは、40代は家庭持ちの人も増えていますし、なかなか自分の希望だけで思い切った転職がしづらいという人も増えているのかもしれません。
50代の転職回数
50代で転職経験がある人の割合は66%でした。40代からの伸びは大きくないことから、定年まで勤め上げると考えている人が多いのかもしれません。新卒で入社してから30年が経過していますし、その気持ちもわからないでもないですね(今更、他の会社の文化を受け入れづらいという部分もあるかもしれません)
企業の平均寿命が23.9年(東京商工リサーチの調査)であることを踏まえると、会社の倒産や事業縮小によるリストラなど、本人の意思とは別に転職したという人の割合が高い可能性もあります。
転職回数が採用合否に与える影響と対策
次に転職回数が採用合否に与える影響について見ていきます。データ元は先ほどと同様のリクナビNEXTの調査です。
面接官が気になる転職回数とは?
3回の40%が最も多い結果になりましたが、調査のフリー回答は「短期間ではやめて欲しくない」「ただし、転職理由次第」というものでした。
よって、機械的に転職回数だけを見ているわけではないようです。
面接官である私の転職回数に対する見解
今まで数百人以上の面接をしてきた私も同様の考え方です。大きく2パターンの人がいます。
転職を通じてキャリアアップできている人
転職を重ねながら着実にキャリアアップしているのであれば、転職回数の多さもマイナス面ばかりではないです。
しかし、どんなに優秀な人であっても、短期間でやめられてしまっては困ります。転職理由や志望動機を確認して「うちの会社なら長くいてもらえる」と面接官が感じるようなアピールをすることが大切です。
個人的には優秀な人材であれば、3年以上は在籍してほしいと思っています(私の勤務先の会社の離職率が低いこともあるかもしれません)。
しかし、従業員が転職しなくて済むような魅力的な職場(仕事内容や金銭面など)にすることで、離職率を下げることもできますし、会社側が努力すべき部分もあります。
また、短期間でもスポットで成果をだしてくれればOKという面接官やポジションがあるため、転職を通じてキャリアアップできている人はあまり気にしなくてもよいかもしれません。
転職してもキャリアダウン、もしくは維持の人
転職するたびに実績や経験がリセットされて、成長していない・評価されていない場合は、かなりビハインドを持った状態かもしれません。
例えば、不遇な星のもとに生まれ、在籍している会社が次々と倒産してしまうなんて場合は仕方がないです。
ただ、事前にそういったことを把握することはできていませんし、逆境などがあると逃げ出してしまう堪え性がない人というイメージをもってしまいます(これは私の主観)。それが事実と異なっていても、そう思われている前提で転職回数の多さと転職理由を面接で伝えることができれば、面接官が抱いている懸念を払拭できるかもしれません。
面接官の「この応募者はすぐにやめてしまうのではないか?」という懸念点を払拭するためには、以下のようなことをアピールしてみてください。
- 粘り強く過酷な環境下で業務をやり切ったエピソード
- これまでの転職で自身のやりたいことが明確になった
- ライフイベント(結婚・子供・住宅購入など)の変化
※書いておいてなんですが、3つ目は微妙かも…
ただし、転職しないと思うかどうかは、面接官の考え方によります。万全を記すために、知人や転職アドバイザーなどに客観的な視点でチェックしてもらっておいてください。
もし、上記のようなエピソードがないのであれば、それ以外のプラス面でカバーするしかないです。一人ひとり転職回数が多い理由は異なるでしょうし、面接の合否に大きな影響を与えるポイントなので、転職アドバイザーにも相談してみてください。
最後に・・・
面接官が転職回数の多さだけで、合否を判断するわけではないことについて書いてきましたがいかがでしたか?
転職回数が多いという過去を変えることはできませんが、その事実を受け入れてくれる企業は必ず存在します。そして、一番大事なことはこれからの未来を変えることです。
キャリアアップのために転職を繰り返してきたというわけではないのであれば、「次が最後の職場」という意識を持ち、自身にマッチした会社を真剣に考えてみてください。
そのために、転職目的の整理を通じて、自分が大事にしている価値観を把握しましょう。
整理できた自分の価値観を転職エージェントに伝えることで、自身に合った会社を紹介してもらえるようにお願いしてみてください。
親身に相談に乗ってくれる転職エージェントを最後に紹介します。
コメント