部下を育成する順番はつけるべき!でも・・・

マネジメント

この記事を読んでいるあなたは部下の育成・指導に困っている管理職でしょう。

部下の育成は管理職・マネージャーであるあなたにとって、とても大切な仕事の一つです。しかし、複数人の部下がいると「誰から育成していけばいいんだろう?」って悩みが出てきます(わたしはそうでした)。

その答えは「一番早くあなたの分身になりうる部下」です。

この記事では、管理職が部下を育成する際の順番について説明していきます。

部下を育成・指導する優先順位の考え方

自分の後継者をつくることを最優先する

例えば、部下が5人いる前提で話を進めます。

育成時間を「100」とした場合、5人に対して均等配分をすると「20」ずつになります。自分の後継者になりうる(もしくは、そうすると決めた)メンバーに、最も時間を掛けるように意識しましょう(目安は40〜50くらい)。

自分の後継者をつくるメリットとして

  • 後継者にも育成担当してもらいチームの成長速度をアップできる
  • 自身が担当している業務を任せられる
  • 自身はマネージャーがやるべき仕事に時間を割ける

などがあげられます。

4つの「人ざい」とは?

次は、自分の後継者を決める際の考える軸についてです。

「人ざい」には「人財・人材・人在・人罪」の4種類が存在し、下図のように「ポテンシャル・やる気」と「能力・実績」で表現することができます。

4つの人ざいの図

人財

「ポテンシャル・やる気」と「能力・実績」を備えた人財。誰の目から見ても後継者候補の優先順位が高いことはは明白ですね。もし、こういった部下がいれば上司は安心できるでしょう。ただし、全体の5〜10%程度しかいない希少な存在です。

人材

「ポテンシャル・やる気」はあるが、「能力・実績」はない人材。新卒や若手などが該当します。やる気はあるので、うまくサポートすることで成長を促したい存在です。

人在

「ポテンシャル・やる気」はないが、「能力・実績」はある人在。過去に活躍していたが、何かのきっかけでやる気がなくなったベテランに多いです。指示された仕事はこなすことができるため重宝しますが、自分から率先して提案をしてくることはありません。

人罪

「ポテンシャル・やる気」も「能力・実績」もない人罪。自身の仕事できないだけではなく、やる気がなく周囲に悪影響を与えてしまう問題社員です。

4つの「人ざい」を育成する優先順位は?

答えは「人財人材人在人罪」です。

もし、自身の部下に人財がいるなら、優先的に育成しましょう。人財は手取り足取り育成しなくても、育っていきます。あなたが行うべきことは「挑戦的な仕事を任せること」です。
それによってスキルを高め、成長していってくれます。
ちなみに過剰に指示や指導をすると、やる気を削ぐ結果になるので注意が必要です。

次は人材人在で迷うかとおもいます。個々人の程度や理由などにもよりますが、人材を優先すべきです。理由は、やる気(モチベーション)がある人材にスキルアップなどの教育を施す方が人財になれる可能性が高いためです。
人材はスキル的には未熟なため、指導(ティーチング)をしましょう。

最後が人罪です。時間を掛ける優先度は低いですが放置してはダメです。目に見える形で成果を出せる業務を担当してもらい、(適切に指導をしながら、)成果を出してもらいましょう。成果が出てくることでやる気も出てきます。

そして、上司であるあなた自身が「人財」として、尊敬・信頼される人間であり続ける努力が必要であることも忘れないでください。

この4つの人財の話は以下の書籍にて、詳しく説明されていますので、読んでみることをオススメします!

部下を育成する際のスタンス

部下全員の可能性を信じ続ける

育成する優先順位をつけると書きましたが、「部下全員の可能性を信じ続ける」というスタンスでマネジメントすることが大切です。

優先順位をつけると「人在」や「人罪」のカテゴリに分類されたメンバーに対して冷たく当たったり、高圧的な態度で接したりする上司がいます。しかし、それではいけません。

実際、私もマネージャーになりたてのころ、なかなか成果の出せないメンバーに「過度な期待しても仕方がない」と、半ば見捨てていました。

そんな時に会社で開催されたセミナーで講演していただいた浅井 浩一さんに質問した際の回答が10年以上経った今でも記憶に残っています。

ちなみに、浅井さんは元JT(日本タバコ産業)で結果を出された方です。ご自身のサイトで、以下のように紹介されています。

一人の落ちこぼれも作らずチームが一丸となるマネジメント手法により「職場再建のプロ」と称され、次々とまかされた組織を活性化させ、とうとう歴代最年少の支店長に大抜擢。

全国31支店中25位より一度も上位の成績をとったことがなく 、閉塞感に陥っていた高崎支店(群馬県管轄)を誰一人落ちこぼれも出さず全員優秀な成績で、破格の連続日本一に導き、横浜支店(神奈川県管轄)で外資系企業から会社史上初のシェア奪還をする等、数々の偉業を達成。

さて、私との質問のやりとりは以下の通りです。

わたし
わたし

浅井さんは成果を出せていなかった部下にやる気にさせて、営業所の成績を高めたとおっしゃられていましたが、どんなに手塩にかけて育ててもダメなメンバーがいた場合はどうされていたんですか?

当時の私は尖っていたこともあり、嫌な質問を投げかけていました(笑)そんな未熟な私に対して浅井さんはこのように回答していただけました。

浅井さん
浅井さん

私もどんなに面倒を見ても、育て上げられなかった部下はたくさんいました。でも、部下として自分の下にいた時に見捨てた社員は一人もいませんでした

その回答をいただいた時に、感動するとともに、すごく恥ずかしい気持ちになりました。(ちなみにアイコンの写真と浅井さんの見た目は全然違います)

掛けられる時間は有限ではあるものの、その中で最大限に自分ができることはやろうと決めました。

それ以外にも「正直であれ」という言葉などが心に残っています。詳細は以下の書籍をチェックしてみてください。

まとめ

部下を育成する順番はつけるべき!でも・・・はいかがでしたか?

まとめるとこんな感じです。

  • 部下を育成する順番
    • あなたの後継者候補を重点的に育成する
    • 人財→人材→人在→人罪の順番で育成する
  • 部下を育成する際のスタンス
    • 部下の可能性を信じ続ける
    • 部下は一人も見捨てない

新 将命さんや浅井 浩一さんの書籍や直接聞いた話に、私なりの経験を掛け合わせて独自のスタイルとして進化していっています。

メンバーの育成に「これ」という一つの答えはありませんが、一つだけ言えるのはメンバーと向き合って、愛をもって「対話すること」が重要であるということです。

この記事をきっかけに一人でも多くの人財が輩出されれば幸いです。

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