KPIの亡霊にとりつかれないための方法

仕事術

KPIに振り回されている部下を目にすることがあります。それでは会社や上司から求められている成果を出すことができません。そもそも何のためにKPIを設定しているかを考えたことはありますか?

この記事では、KPIに振り回されないようにするための考え方を解説していきます。

目的→目標→戦略→戦術→実行の関係性

例として、営業で整理してみました。

説明具体例
目的何のためにやるのか部門の売上目標達成する
目標目的達成を具体的にしたもの2020年5月の売上高500万円
戦略目標を達成する方法●●で困っている顧客を狙う
戦術戦略を達成する方法ニーズに合う商品A(50万円)を販売
実行戦術に沿った行動対象の顧客に商品Aを紹介する

目的→目標→戦略→戦術→実行」がつながっていることがわかったとおもいます。

次に各工程の妥当性を確認するための指標例を整理しました。

具体例進捗を確認する指標例
目的部門の売上目標達成する
目標2020年5月の売上高500万円売上高(KGI)
戦略●●で困っている顧客を狙う●●で困っている顧客数(KPI)
戦術ニーズに合う商品A(50万円)を販売商品Aの販売額(KPI)
実行対象の顧客に商品Aを紹介する商品Aの商談数(KPI)・受注率(KPI)

目標が計画通りに進捗しているかは、売上高(KGI)を確認します。これは敢えて言うまでもないですよね。

次に、なぜ目標が達成できたのか、達成できなかったのかを確認する際に必要になってくるのが「KPI」です。

KPIを確認する手順は立場や状況によって異なりますが、ここでは「実行→戦術→戦略」の順にチェックしていきます。

実行の指標に2種類のKPIを設定していたとします。

KPI計画実績
商品Aの商談数100回90回
商品Aの受注率10%10%

上記のケースの場合は商談数の問題であることがわかります。未達成になった要因として、大きく2つ考えられます。

問題箇所具体例
実行行動量不足、アポ取り能力不足(部下の問題)
戦術商品Aでは●●で困っている顧客が関心を示さず、商談までいけなかった
戦略●●で困っている顧客数が想定よりも少なかった

ここでは「戦略の問題」だったとします。

そこで上司は「●●で困っている顧客を狙う」という戦略を撤回し、「▲▲で困っている顧客を狙う」方針に転換したとします。

少し長くなりましたが、ここまでは理解できたでしょうか?

戦略が変われば、戦術も実行もKPIも変わる

先の通り、戦略を変えると、戦術や実行プランも変わってきます。
変更点を赤字にしてみました。

具体例進捗を確認する指標例
目的部門の売上目標達成する
目標2020年5月の売上高500万円売上高(KGI)
戦略▲▲で困っている顧客を狙う▲▲で困っている顧客数(KPI)
戦術ニーズに合う商品B(50万円)を販売商品Bの販売額(KPI)
実行対象の顧客に商品Bを紹介する商品Bの商談数(KPI)・受注率(KPI)

上記の通り、戦略の変化に伴い、KPIも変わりました。

それにもかかわらず、過去のKPIである商品Aを販売する戦略のKPIに振り回されることがあります。

上記は単純な例で説明しているため、そんな状況に陥る人はいないと思いますが、実際の現場では「設定された過去のKPIに振り回される」ことがあります。それはまるで亡霊のように生き続けたりします。

KPIの亡霊にとりつかれないために

それは「自身が追っているKPIが設定された背景を理解し、意識すること」だけです。

上司から伝えられたKPIについて、自身の頭で考えずに盲目的に信じるというスタンスを見直すことです。

これはKPIの話だけではありませんが、どんなことでも目的まで立ち返って考えることが大切です。

最後に・・・

ちなみに目標を達成していたとしても戦略や戦術に沿っていない可能性もあります。偶然、運良く結果が出ることもあるため、目標の達成状況によらず、戦略、戦術、実行の全てをチェックするようにしましょう。

成功する確率を高めていくことができれば、安定して成果を出せるようになるため、必ず振り返りは行うようにしましょう。

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