この記事では、営業職から企画職へ職種変更を検討している人にアドバイスをしたいと思います。
私は事業部門の責任者をやっているのに加え、企画職の責任者(組織図にはない)も担当しています。
そんな私ですが、9ヶ月だけ営業のマネジャーも兼任した経験があります。
私は営業職としてのスキルは持ち合わせていませんが、企画職と営業職をマネジメントした観点から見出した共通点をご紹介します。
営業職と企画職の役割の比較
営業職と企画職はまったく違う役割をしているように思いますが、頭を使うポイントには共通点があります。
以下の表では、営業職と企画職の役割について比較してみました。
ここではB2B2Cモデルを例に記載します。
営業職 | 企画職 | |
---|---|---|
誰の | クライアント | エンドユーザー |
何を | クライアントの困りごと | エンドユーザーの困りごと |
どうやって | 課題を見つけ、解決策を考え、実行すること | |
解決策 | 困りごとを解決するもの・こと(商品、サービスなど) |
クライアント:お金を支払ってくれる人
エンドユーザー:最終的に価値を届ける一般消費者
上記表の「どうやって」の「課題を見つけ、解決策を考え、実行すること」が大切で、営業職、企画職共通の項目になります。つまり、価値提供する相手は異なるものの、使う脳みそは基本的に同じだと思っています(業務を遂行するための必要な知識は異なりますが)。
コンサルティング営業(企画営業)、ルート営業、法人営業、内勤営業など、様々な営業職の種類がありますが、すべてにおいて求められることではないかと思います。(マニュアルで決められたことを、決められた通りにこなす場合は該当しませんが)
営業ができる人は企画でも成果が出せる?
企画職と営業職は誰の悩みを解決するかは異なるものの、それ以外が共通しているということは、職種を変更しても成果が出せるということでしょうか?
営業スタイル
営業スタイルをロジック型と懐型という二つの切り口で分解してみました(切り口は無限にあると思いますが)。
ちなみに「懐型」とは私がつくった言葉で、クライアントの懐に入り込んで気に入られることで「こいつが言うならやってやるか」みたいな感じで販売してくるタイプです。
私にはこのスタイルは真似できないので、すごいなぁって思います。一方で私自身は営業を受けることも多い立場ですが、そういった気持ちになったことがありません。
人それぞれ多様な価値観があるということですね。
営業の目標が売上であれば、どういった方法であれ、購入してもらうことがゴールですから、固定観念にとらわれず相手が何を求められているのかに合わせて、自身のスタイルを変えることができる人は営業力がある人なのかもしれません。
余談になりますが、④の営業スタイルがプレイヤーとしては売上をあげられるような気がしています。この切り口だと②が一番良さそうな気もしますが、ロジック型が強すぎると色々と考えすぎるため行動するまでに時間がかかるためです(全くロジックが不要というわけではないです)。
企画職に転向して成果を出せる営業スタイルは?
職種を変更後に成果を出せる営業スタイルは以下の図のピンクで囲った範囲です。
上記図をみてもらえばわかるとかと思いますが、ロジックで考えられる力が必要があるということですね。ちなみに懐型が弱すぎるのもダメです。
企画職がサービスをつくりあげるためには社内外のいろんな人たちと連携する必要があるため、一定のコミュニケーション力は必要になります。
私は④の営業スタイルが一番売上をあげられると思っていると書きましたが、そういった人は企画職に転向しないほうがよいでしょう。逆に①とかで、いまいち営業で成果を出せていない人が職種変更することで花開く可能性はあります。
私も何度も読み返していますが、クリティカルシンキング、ロジカルシンキングを学ぶ上で、以下の本はお勧めできます。
企画職に転向後に成果を出すのに必要なこと
ちなみにロジカルにものごとを考えられさえすれば成果を出せるわけではありません。他に必要な特徴もお伝えします。
企画職に転向後に成果を出せる要素は?
- 目標達成にこだわっている
- 課題が何かをしっかりと見極め、定義することができる
- 課題に対して打ち手をMECEに考えることができる
- 机上で終わらせず、実行に移すことができる
- 自身がおこなった行動を振り返ることができる
- その結果、営業としての成果を出している
これは営業職として、成果を出すためにも必要な要素です。
もし、あなたが「営業がつらい」、「営業で成果を出せない」みたいな理由で、職種変更を検討しているのであれば、キャリアビジョンに立ち戻って考えてみてください。キャリアビジョンがない人を「パーソナルブランディングのススメ」を参考に設定してみてください。
ここで一番伝えたいことは「現状の営業職を本気でやりきれていない人が、企画職に転向しても大成することはない」ということです。隣の芝が青く見えるかもしれませんが、どんな職種も大変です。
営業職のうちから心がけて欲しいこと
以下の図の数字の順番を意識するようにしてみてください。
企画職を目指すなら、上(頭)から下(足)へ汗をかく。
物売り(作業者)から、解決できる人へ!
上記の一番重要であると書いた「仮説思考」や「マーケティング思考」を学べる本を紹介します。
以下の冨田和成さんの書籍は私が営業マネージャーを急遽やることになった際に読んだ本です。営業を体系的に考え、行動まで落とし込んで説明してくれており、実用性も高い本でおすすめです。
営業職の時から一つ一つの行動を考え抜く習慣をつける方法を学ぶことができます。
こちらの本は内田和成さん(奇しくも、和成さん被り)の仮説思考です。ビジネスカテゴリーでベストセラーにも入っている本です。
企画職を目指すのであれば読んでおいて欲しい書籍です。
同じく、内田和成さんの本。こちらもおすすめです(営業職にも)。
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