仕事の悩みランキング|厚生労働省の調査から分かる上位項目と対処法

仕事の悩みを整理するビジネスパーソン 調査・ランキング

「仕事で悩んでいるのは自分だけではないか」「ほかの会社員は何に負担を感じているのか」と気になる人もいるでしょう。

厚生労働省の「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活について強い不安・悩み・ストレスを感じる事柄がある労働者は68.3%でした。

この記事では、同調査で回答が多かった5項目をランキング形式で紹介し、それぞれの悩みに対して最初にできることを整理します。

なお、この順位は仕事上の悩みをすべて集計したものではありません。「強い不安・悩み・ストレスがある」と答えた人が、その内容を3つ以内で選んだ結果です。複数回答のため、割合の合計は100%になりません。

仕事で強い不安・悩み・ストレスを感じる人は68.3%

厚生労働省の個人調査では、労働者8,596人から有効回答を得ています。そのうち68.3%が、仕事や職業生活に関して強い不安・悩み・ストレスを感じる事柄があると回答しました。

つまり、仕事に強い負担を感じること自体は珍しくありません。ただし、同じ「仕事がつらい」という感覚でも、仕事量、責任、仕事内容、人間関係など、原因によって取るべき対応は異なります。

まずは、自分が何に負担を感じているのかを分けて考えることが大切です。

仕事の悩みランキング

順位 強い不安・悩み・ストレスの内容 割合
1位 仕事の量 43.2%
2位 仕事の失敗・責任の発生等 36.2%
3位 仕事の質 26.4%
4位 対人関係(セクハラ・パワハラを含む) 26.1%
5位 役割・地位の変化等 19.8%

出典:厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況」個人調査

ここからは、上位5項目で起きやすい状態と、最初に確認したいことを解説します。

1位:仕事の量

仕事量の悩みは、単純に担当業務が多い場合だけではありません。期限が重なっている、突発対応が多い、判断待ちで作業が滞る、役割分担が曖昧といった問題が重なっていることもあります。

最初に、抱えている仕事を次の4項目で一覧にします。

  • 期限
  • 重要度
  • 必要な作業時間
  • 自分以外でも対応できるか

そのうえで、上司へ「忙しい」とだけ伝えるのではなく、優先順位の変更、期限の調整、担当の追加、作業範囲の削減など、必要な判断を具体的に相談します。

管理職自身が仕事を抱えている場合は、部下に仕事を任せる7つの手順も参考にしてください。

2位:仕事の失敗・責任の発生等

失敗への不安が強いと、確認を繰り返して仕事が進まなくなったり、判断を避けたりすることがあります。責任範囲が曖昧な職場では、必要以上に自分だけで抱え込みやすくなります。

次の点を上司や関係者と確認しましょう。

  • 自分で判断してよい範囲
  • 事前承認が必要な事項
  • 問題が起きたときの報告先
  • 途中で確認するタイミング
  • 組織として許容できないリスク

失敗を完全になくすことはできませんが、早く相談できる条件を決めれば、重大な手戻りを減らせます。問題を早い段階で共有できる職場づくりについては、心理的安全性を高める7つの方法で詳しく解説しています。

3位:仕事の質

仕事の質に関する悩みには、「求められる水準に届かない」「得意分野と担当業務が合わない」「完成の基準が分からない」といった状態があります。

まずは、能力不足と決めつける前に、完成条件を確認します。

  • 成果物を誰が何に使うのか
  • 必ず満たす条件は何か
  • 参考にできる過去の成果物はあるか
  • 品質と期限のどちらを優先するか
  • 不足している知識や経験を誰に聞けるか

期待水準が曖昧なまま努力量だけを増やしても、評価とのずれは解消しにくいものです。上司との定期的な対話には、1on1ミーティングの目的とやり方も活用できます。

4位:対人関係

対人関係の悩みは、相性だけでなく、情報共有の不足、役割の衝突、評価への不信、相談しにくい雰囲気などから生まれます。

出来事と解釈を分けて記録すると、問題を相談しやすくなります。

分ける項目 記録例
実際に起きたこと 会議で発言を3回遮られた
仕事への影響 必要な懸念事項を共有できなかった
自分が求める状態 発言を最後まで聞いてから意見を返してほしい

ハラスメント、安全上の問題、強い威圧などがある場合は、一人で相手と解決しようとせず、社内の相談窓口、人事、労働組合などへ相談してください。

5位:役割・地位の変化等

昇進、異動、配置転換、部下を持つこと、組織変更などは、前向きな変化であっても負担になります。これまで成果を出してきた方法が使えなくなり、新しい役割の評価基準も見えにくいためです。

役割が変わったら、次の点を確認します。

  • 今後期待される成果
  • 自分が続ける仕事と手放す仕事
  • 意思決定できる範囲
  • 評価される期間と指標
  • 困ったときに支援を求める相手

管理職になってもプレイヤー時代の仕事を抱え続けると、新しい役割へ時間を使えません。役割の切り替えは、マネージャーに必要な3つのスキルも参考になります。

仕事の悩みと次の行動を相談する上司と部下

仕事の悩みを整理する3つの手順

起きている事実を書き出す

「仕事がつらい」という評価だけでなく、いつ、どの仕事で、何が起きているかを書きます。仕事量、責任、品質、人間関係、役割変化のうち、どれに近いかも分けてみてください。

自分で変えられることと、組織の判断が必要なことを分ける

作業順序や相談方法は自分で変えられる場合があります。一方、人員配置、期限、評価制度、担当範囲などは、上司や組織の判断が必要です。自分だけで解決できない問題まで抱え込まないことが重要です。

次に取る行動を一つ決める

すべてを一度に解決しようとせず、次のような具体的な行動を決めます。

  • 担当業務と期限を一覧にする
  • 上司へ優先順位の判断を依頼する
  • 完成条件を確認する
  • 相談窓口へ連絡する
  • 異動や転職を含む選択肢を整理する

社内外の相談先を使い分ける

相談内容 相談先の例
優先順位・期限・担当範囲 直属の上司、プロジェクト責任者
配置・評価・制度 上司、人事、社内相談窓口
人間関係・ハラスメント 人事、コンプライアンス窓口、労働組合
体調への影響 産業医、医療機関、社内外の健康相談窓口
今後のキャリア 上司、社外のキャリア相談、転職サービス

相談するときは、「何がつらいか」に加えて、「仕事にどのような影響が出ているか」「何を相談したいか」を伝えると、相手が判断しやすくなります。

社内での改善が難しく、転職を検討する場合も、焦って退職を決める必要はありません。収入や仕事内容などのリスクは、転職前に想定したい7つのリスクを使って整理できます。40代・50代で何から始めるか迷う人は、40代・50代の転職で最初に確認することも確認してください。

管理職が部下の悩みに気づいたときの対応

部下から相談を受けたときは、すぐに励ましたり、本人の考え方を変えようとしたりする前に、負担の原因を確認します。

  1. 本人の話を遮らずに聞く
  2. 仕事量、責任、品質、人間関係、役割変化のどこに問題があるか整理する
  3. 健康・安全に関わる緊急性を確認する
  4. 本人が求める支援と、管理職が判断すべき事項を分ける
  5. 対応内容と次回の確認日を決める

全員へ同じ対応をするのではなく、仕事の状況と本人の経験に合わせて支援します。複数の部下への支援を整理する場合は、部下育成の優先順位を決める4つの基準も参考になります。

まとめ

厚生労働省の調査では、仕事や職業生活に関して強い不安・悩み・ストレスを感じる事柄がある労働者は68.3%でした。内容の上位は、仕事の量、仕事の失敗・責任、仕事の質、対人関係、役割・地位の変化です。

仕事の悩みは、本人の努力だけでは解決できないことがあります。まず事実を整理し、自分で変えられることと組織の判断が必要なことを分け、次の行動を一つ決めてください。

体調や安全に影響が出ている場合や、ハラスメントが疑われる場合は、一人で抱え込まず、社内外の適切な窓口へ早めに相談しましょう。

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